カナエルチカラ。27の専門学校。NSGカレッジリーグ

オープンキャンパス資料一括請求お気軽にお問い合わせください。025-210-8560

NSGカレッジリーグ 平成26年度 第7回 志・未来塾

第7回テーマ「自分らしく生きるために」

講師:喜多川 泰



■講師プロフィール

1970年生まれ、愛媛県出身。東京学芸大学卒業。98年に横浜で、笑顔と優しさ、挑戦する勇気を育てる学習塾「聡明舎」を創立。人間的成長を重視した、まったく新しい塾として地域で話題となる。2005年から作家としても活動を開始し、『賢者の書』にてデビュー。2作目となる『君と会えたから…』は9万部を超えるベストセラーとなった。その後も、『手紙屋』『手紙屋 蛍雪篇』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「福」に憑かれた男』(総合法令出版)、『心晴日和』(幻冬舎)など次々に作品を発表、『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(サンマーク出版)は12万部を突破し、2013年9月には映画化され全国公開となり、2014年9月から台湾でも劇場公開された。その後も『母さんのコロッケ』(大和書房)、『スタートライン』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)と続き、最新作の『One World』にて全13作品となる。現在は多数の作品が台湾、韓国、中国でも翻訳出版され、その活躍は国内にとどまらない。

執筆活動だけではなく全国各地での講演や、大人が学ぶ「親学塾(しんがくじゅく)」も全国で開催し現在は新潟市で開催中(H26年11月~平成27年3月)。現在も横浜市と大和市にある聡明舎で中高生の指導にあたっている。


-喜多川 泰 氏

■イントロダクション

第二期生として豪華な講師の話を一年で聴いた学生というのは、全国でもほとんどいません。例えば植松努さんは、とても淡々と話をされますが心に響くものがあります。私自身が宇宙開発をやりたいとは思いませんが、出会って本当によかったと思いました。心が揺さぶられたのです。

その逆もあります。一流と呼ばれる人や有名人にも、何も感じないことがあります。出会いとは、同じ場所で同じ空気を感じて、心が突き動かされるかどうかが大事だと思います。

皆さんには、色んな人に出会いに行って欲しいと思います。特に一流と呼ばれる人には多く出会って欲しい。それが心を揺さぶる出会いなら、あなたの人生の財産になるからです。

■解答の存在が不確実な「存在問題」

この中には、就職が決まった人も多いでしょう。就職は自分の人生の入り口だと言えます。人生をどう作っていくか、どう幸せになっていくか。そのためには(極端な話ですが)何をやってもいいのです。それが、今日のタイトルでもある「自分らしく生きる」ということです。

その辺を歩いているおじさんが、自分らしく生きているか・・・そうは見えない場合もきっと多いと思います。私は大学生のとき、大人になるのが嫌でした。なぜならば、東京にいた私は満員電車に揺られる通勤風景を見て、心をすり減らす人を多く見ていたからだと思います。しかし今、大人になって(仕事をするようになって)20年が経ちますが、仕事が楽しいと思えています。それは、人生の中で色んなものと闘ってきたから、そしてその結果として自分らしい生き方を実現しつつあるからだと思います。では、何と闘ってきたか・・・

その一つは、「存在問題」です。例えば「自分に才能があるか?」という問いについては、答えが存在するかどうか分からない。数学のように、答えが一つ存在すれば、「やる気と根性」さえあれば解くことができます。しかし、存在問題については答えの存在そのものが不確実なのです。

コロンブスが新大陸を発見したのは、技術があったからではなく、「あの先に行けるだけ行ってみよう」と思って実行したからです。答えを目指したのではなく、自分の挑戦として行動したら、一つの大きな成果となったのです。

皆さんも、実は今までの人生で戦って闘ってきたはずです。私の考えでは、人間の能力なんていうのは、明確に有ると思っています。「できるかな?」という疑問と闘うことが、「自分らしい生き方」につながると思います。


■パズル

ジグソーパズルのピースは、一つひとつが違う形をしています。だから、あれは絵を合わせるのではなく形を合わせるゲームです。人間社会も同じです。形、性格、得意不得意・・・すべてが一人ひとり違うのです。そして、すべてに必ず「収まるべき場所」があります。だからこそ、みんな同じ形では意味がないし、他人と同じ形を目指しても意味がない。あなたが収まるべき場所に収まることで、1枚の絵が完成する。素敵なことだと思いませんか?

今日、実際のパズルピースをいくつか持ってきています。欲しい人は後で声を掛けてください。パズルのピースは、これがなければ絵を完成させられない。それを忘れないために、財布に入れておくのもいいと思います。いくつかの講演で差し上げてきたので、持っている人が日本にたくさんいます。極端な話ですが、その人たちが集まれば一枚の絵が完成するかもしれません。それも、出会いのひとつの形です。


■変人のススメ

ところで、ここにいる皆さんは「変人」ですよね?(笑) 僕も変人です。どうせ変人なんだから、お互いに立派な変人になりましょうね!(笑)

パズルの話を借りれば、形が違うということは他の誰とも違うということです。人はどうしても常識通りを目指したり普通を求めたりしまいがちですが、普通なんて、実は世の中に存在しないのです。だから、自分を変人と認めることができれば、自分は人と違うと割り切ることができれば、案外うまくいきます。ただし自分を変人と認めるには勇気が必要ですけどね。

自分が普通である、常識人であると思ってしまうと、他人を受け入れられなくなりますが、自分を変人だと認めてしまえば、他の変人を受け入れることができます。これが、“尊重する”ということに繋がっているかもしれません。

変人になるためには、やはり本を読むということは大切だと思います。これまでの志・未来塾の講師達だって、変人ばっかりだったでしょう?ちょっと変わった人こそが社会を引っ張っているのです。多くの人から評価され、必要とされているのです。要するに、その時代が持っている空気に合わせようとすると、自分が萎縮してしまう。場合によっては、これを常識と呼んでしまうことさえもある。だけど、自分らしく生きるためには、そこから一歩踏み出さなければなりません。やりたいこと、行きたい方向はそれぞれ違うのですから、勇気を持って(自分は変人だからと思いながら)踏み出すのです。


■社会の入り口に立って

社会の入り口では、全員が居場所を与えられます。そして、それは自分の希望通りではないことが多いです。でも、それが当たり前です。そこで腐らず、目の前のことに本気で取り組めば、自分がフィットする新しい場所を見つけることができます。皆さんには、そんな強さ優しさを持った人になっていただきたいと思っています。そのためには、他を受け入れる受容力が必要です。具体的には、自分とは違う意見や才能を拒絶しないということです。受容力というのは、人生のあらゆるシーンで鍛えられるように、世の中はできています。苦しいことではありますが、勇気を持って一歩を踏み出すことを繰り返すことで、受容力は磨かれます。


■mustを極上にする。

強く優しくなるために、もう一つ大切なことがあります。自分がやらなければならないことについて、手を抜かないということです。

自分がやるべきこと(must)のうち、本気で取り組んだものからしか夢には繋がりません。強い信念を持って取り組んだ人にのみ、運が開けるように世の中はできていて、その人の人生に影響してくるのです。そして、信念というのは自分の内側にあるのであって、外側にはありません。自分の運のなさや、人生に不満があるときは、自分の外側に原因はありません。自らの内側(すなわち、どれだけ本気で取り組んだか)にのみ、原因があるのです。

僕は、大学で数学を専門として学びましたが、今は塾で英語を教えることを仕事としています。ただし、この仕事のために、かなり本気で英語に取り組んできました。だから、皆さんも諦めないで欲しいのです。ひょっとしたら嫌いや苦手なことの中にも夢のスタートが隠されているかもしれません。白石幸次郎さんと武道の話になったとき、鍛錬という言葉について教えてくれました。鍛とは千日、錬は万日の修行を意味するのだそうです。アメリカのある研究者の発表でも、1万時間を超えた取り組みがあって、はじめてそのことに関するプロフェッショナルのレベルに達するのだそうです。


皆さんが今まで見てきた夢と、社会人になってからの夢は違うものです。社会人となって世の中に出た時に見えてくる夢こそが本当の夢です。それをみつけるために、目の前のことに本気で、1万時間を超える意気込みで、取り組んでみてください。


■日本一を目指す

鉄鋼業で巨万の財産を築いた、カーネギー氏は多くの職歴を持っています。あるインタビューで「資産家となることを予測していたか?」と問われたカーネギー氏は、「そのときの仕事で全米一になろうと思っていただけ」と答えたそうです。その時々の自分のいる場所で全米一を目指して没頭した結果、次の扉が開き、ついにはアメリカを象徴する実業家となったのです。

皆さんが会社に入って、たとえば単純な経理作業を任されたならば、その作業を嫌々こなすのではなく、日本一を目指してやってみたらいいと思います。適当な仕事しかできなければ、他のパズルピースに置き換えられてしまいます。その仕事の担当はあなたでなければならないと思われる仕事をしてください。

僕が学習塾を始めたばかりのとき、生徒は教室に9人でした。その時、僕はこう言いました。「僕たちは日本一の塾を目指す!」笑われましたけどね。

誰でも、日本一なんていうと最初は笑われます。ところが、本気だと思われたときから、納得してもらえた時から笑われなくなるのです。これは、「変人」だからできることです。他の笑っている人に合わせていたら、絶対に日本一にはなれません。



■最後のメッセージ

この志・未来塾に講師として登場した人たちが伝えたかったのは、「本気でやれば道は開ける」ということで総括できます。講演の内容を振り返ってみてください。講師の人たちは本気で取り組んできたからこそ、周囲が心を揺さぶられたのです。今度は、皆さんの番です。皆さんが出て行く社会は、本気でやる人を欲しているのです。心を揺さぶられたいと思っているのです。そして、本気でやる人の周りには理解者が集まります。皆さんが社会でする本気の仕事に対して、日本一・世界一を目指して取り組んだ時、数年後にここに講師として立っているのは皆さんの中の誰かかもしれません。楽しみにしています。頑張ってください。一年間、ありがとうございました。



■取材後記

----------

取材後記

第二期志・未来塾の最終回となった今回、これまでの講師の講演も振り替えることのできる内容で、しかも生き方の原点ともいえる「自分らしく」ということを考える機会となった。これから社会人として仕事をしていく学生達にとって、貴重な機会となったであろう。人生において働くということへの考え方をどう持つかは、社会人生活の最初がどうであるかによって大きく左右されるような気がする。


フレッシュな社会人としてのスタートの気持ちと、仕事の辛さが同居した複雑な気持ちについて、中島みゆきが、「背広の下のロックンロール」で次のように言っている。

 見破られないね その笑顔から悲しみを

 見破られないね その目つきから悔しさを

 100のうちの99まで譲ったなら何が残る?

 右肩に愛を乗せて 足取りが重くなっても

 左肩に国を乗せて 足取りが遅くなっても

 背広の下のロックンロール 

 誰に見せるためじゃない 己のためだ

 背広の下のロックンロール

 誰に見せるためじゃない 己の素顔みるロックンロール



筆者の約20年になったサラリーマン人生の最初の頃を思い出した。日本一を目指していただろうか。世界一を目指していただろうか。少なくとも、今にはない情熱のような何かを持っていた気がする。今の自分は、その情熱がどれくらい薄まってしまったことか。


学生諸君、これから君たちが出て行く社会では、スーツやユニフォームを着て仕事をすることも多いだろう。それは君たちの外見を形成し、辛い仕事・納得できない仕事に直面した気持ちを包むだろう。辛い時にこそ、身だしなみを見直し、皺のないシャツ、曲がっていないネクタイ、汚れていないジャケットを確認するといい。気持ちが引き締まる。

どうかその時に、日本一を目指す情熱を胸の内に確認してほしい。そして、それを持ったままでいてほしい。その情熱が消えずに目の前の仕事に向け続けられたとき、必ず君たちの明るい未来が見えるはずだ。月並みだが、「がんばれ!」。


第二期の最終回で、図らずも自らの仕事のスタートラインを振り返った夜であった。