カナエルチカラ。27の専門学校。NSGカレッジリーグ

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NSGカレッジリーグ第三期 志・未来塾 第七回 期日:平成28年1月26日(火)

第7回テーマ「自分らしく生きるために」

講師:作家/『聡明舎』代表 喜多川 泰 先生


■講師プロフィール

1970年生まれ、愛媛県出身。東京学芸大学卒業。

98年に横浜で、笑顔と優しさ、挑戦する勇気を育てる学習塾「聡明舎」を創立。人間的成長を重視した、まったく新しい塾として地域で話題となる。

2005年から作家としても活動を開始し、『賢者の書』にてデビュー。2作目となる『君と会えたから…』は9万部を超えるベストセラーとなった。その後も、『手紙屋』『手紙屋 蛍雪篇』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「福」に憑かれた男』(総合法令出版)、『心晴日和』(幻冬舎)など次々に作品を発表、『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(サンマーク出版)は12万部を突破し、2013年9月には映画化され全国公開となり、2014年9月から台湾でも劇場公開された。その後も『母さんのコロッケ』(大和書房)、『スタートライン』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)と続き、最新作の『株式会社タイムカプセル社~十年前からやってきた使者~』にて全15作品となる。現在は多数の作品が台湾、韓国、中国でも翻訳出版され、その活躍は国内にとどまらない。

執筆活動だけではなく全国各地での講演や、大人が学ぶ「親学塾(しんがくじゅく)」も全国で開催。(2014年度は新潟でも開催)現在も横浜市と大和市にある聡明舎で中高生の指導にあたっている。


-喜多川 泰 先生

■イントロダクション

早いもので、もう最終回です。いろいろな講師の話を聴いたと思います。どの講師が印象に残っていますか?それぞれが違う感想を持っていると思いますが、懇親会で名刺の交換をしましたよね。講師の方とも、仲間とも。皆さん、何枚集めましたか?

すごい人の名刺をもらったり、多くの人から名刺をもらったりすると、自分がすごくなったような気分になりますが、大切なのは名刺の数ではなく、その人と出会って自分がどう変わったかということです。カードそのものには意味はありません。

そして、今はこの交流の場を学校が作ってくれていますが、社会に出れば仕事によってその場を自分で作らなくてはいけません。皆さんは、これから社会に出て、受け身ではなく自ら行動する必要があるのです。

■人生は何度ある?

唐突ですが、人生は何度あると思いますか?人によって様々な解釈と主張がありますが、僕は一回しかないと思っています。一回しかないからこそ、自分の能力を出し切る、自己ベストの人生にしたいと思っています。そのためには、人に頼っていてはできません。自己責任で取り組む必要があります。

自己ベストとして自分の人生を楽しむために、僕は毎朝起きて「今日一日を楽しむぞ!」と決意します。このように決意して家を出る人生と、「はぁ・・・何かいいことないかなぁ。」と俯いて、自分以外からのいいことをあてにする人生では、大きく結果が違います。楽しむとは具体的にどういうことか。子供の頃は、楽しむことを「笑える」ことと捉えがちですが、大人になると「真剣になる」ことこそが楽しむことだと分かってくるものです。ゴルフ練習場で練習している人の多くは笑っていません。真剣ですが、やめられないほど楽しいのです。

皆さん、今後の人生を自己責任で、楽しいものにしてください。

■思い込みのチカラ

さて、これから皆さんは就職していきますが、社会に出て仕事をするようになると、学歴やキャリアは関係なくなります。同じ仕事上の目的を達成するために集まった仲間になります。もちろん、最初は右も左も分からないから教えてもらいながらの仕事ですが、いずれにせよ学歴やキャリアは一度リセットされると思ってください。その状態で、目の前の仕事を「自分にもできる」と思い込むチカラの話をします。

1853年にペリーが浦賀に来航して開港を迫ったとき、驚きはもちろんでしたが、他の国では見られなかった国内の反応があります。それは、数名の大名が「自分の藩でも、あのような船が欲しい。作ろう。」という反応でした。宇和島藩を例にとると、藩内で最も可能性のある職人が、黒船製作プロジェクトを任されましたが、なんと彼は提灯職人でした。常識の範囲内では、「無理だ」という思いだったでしょう。しかし最終的には、彼はなんとか造船を実現してしまいます。それは、「異人に作れて、お主に作れぬ訳はなかろう?」という大名のプレッシャーからでした。

また、岩倉具視率いる遣欧団は、長期間ヨーロッパに滞在し、その古くからある堅牢な石造りの街に衝撃を受けました。そして、日本の遅れを実感するとともに「50年で追いつこう」という決意をしました。当時の普通の海外の発想では、日本が西欧に追いつくことはあり得ないような状態でしたが、諦めなかったことが、今の国家の発展につながりました。

人に出来たことが、自分に出来ないはずはない。まさに思い込みのチカラです。周囲から笑われても、馬鹿にされてもやり続けたからこそ、偉大な結果につながったのです。

これを仕事の話に置き換えると、「できるはずない」と思う人の結果と、「できるはずだ、やってみよう」と思う人の結果は、大きく違うのです。 宮本武蔵の言葉「千日の修行を鍛、万日の修行を練という」から考えると、一万日(即ち、27年)諦めずに取り組めば、何も出来ないなんてことは、まずないのではないでしょうか。

■自信の源

皆さんがこれから出ていく社会は、他人との約束を守り続けながら生きていける世界です。子供は自分のことが優先ですから、人との約束を破ることに抵抗がありませんが、大人になると約束の大切さを理解するのです。

ここでもう一つ、「自分との約束」も守って生きて欲しいと思います。これを守り続けることが、無意識に実行できる習慣となり奇跡につながることだってあります。小さくても 「他人との約束」は信頼に、「自分との約束」は自信に、それぞれつながる大切なものです。

■一日区切りで生きる

成功する人には二通りのタイプがいて、大きな目標を掲げて向かっていくタイプと、自分のできる範囲のことをコツコツとやっていく人に分けることができると思います。

大きな目標に向かっていく生き方は、僕には向いていないと思っています。だから、今日一日だけ自分の約束を守ると決めました。それは、「今日一日を楽しむ」ということと、「今日一日、逃げない」という二つです。 そうすると、「今日」というのは毎朝起きると「今日」なので、この自分との約束を守り続けることになり、その結果、どんどん自分に自信が持てるようになってきたのです。

例えば、海外旅行にいくとします。最初から最後まで思い通りの旅行なんて、まず無理です。そんな時、楽しむと決めている場合、トータルではトラブルでさえその対応を含めて楽しい思い出になるのです。

■専門性が強みになるとき

そういう思いで毎日を生きていれば、今度は「自分のできることで、世の中に貢献したい」という思いを抱くようになります。 皆さんの通う専門学校は、まさに長所を伸ばすための学校といってもいいでしょう。

さて、あなたの長所は何ですか・・・?

僕は、長所というのは自分で感じるものではないと思います。 よく、子供の頃に野球やサッカーが得意だという感覚を持ちませんでしたか?しかし、それは周囲との比較に過ぎないので、自分より上手い人に出会うことで「長所かもしれないもの」は幻だと気づいてしまう。本当の長所は、他人が認識するものだと思います。人にない、自分が持っている何か(言い換えると、他の人が持って生まれなかったけど、自分の持っている能力)。だから、その能力は人のために使うのです。そうすることで、自分の能力は自分の強みになるのです。

逆に、短所とは何か。人が持って生まれたけど、自分にないもの。これに対する対策は、それを苦手と認めることです。例えば日曜大工が得意な人と、苦手な人。住んでいる家の部屋の内装はどちらが綺麗か。得意な人も頑張るかもしれませんが、苦手な人はプロに頼むから、綺麗です。

人と出会うことで長所は見出され、人のために長所を活かせば人と仲良くなれる。また、短所を認めて人を頼ることでも、また人と仲良くなれる。逆に、人を避けて一人で生きていこうとすれば、長所も短所も気づかない人生になります。

まさに、人という鏡に自分を映すという感覚です。だから、幸せな人生にするには、いろんな人に出会うしかありません。

■人と出会う

人と出会うことは大切ですが、それによるストレスも実際にあります。しかし、適度のストレスこそが人を成長させます。

ジョハリの窓で考えると、自分と他人が知っている・知らないという自分の姿を考えた時、「他人が知っているが、自分は知らない」「他人も自分も知らない」というところに注目してみましょう。「他人は知っているけど、自分は知らない」自分の姿には、例えばトラブルにどう対応するかで気づくことが出来ます。または、自分の話す姿や行動を撮影してみてもいいでしょう。また、「他人も自分も知らない」自分に出会うには、今までの周囲との関係ではできなかったわけですから、新しい人と出会うしかないのです。

だから、社会に出るのです。新たな自分、知らなかった自分に出会うために、社会で人と出会うのです。

■働く

以前に話したことと重なりますが、働くということは自分の時間をお金に変える行為と言われがちです。これを、「お金じゃなくて、人の喜び」に変えると考えてください。人に喜んでもらうために仕事をするからこそ、自分の喜びにもつながるのです。そういう仕事の仕方を実現できたとき、最終的にお金は付いてきます。また、そういう仕事の仕方が続いているある時、ふと「自分は、まさにこの仕事をするために生まれてきたのかもしれない」と思える瞬間があります。これが、「使命」との出会いです。自分の使命に仕事を通じて出会えるのはとても幸せな人生ですが、部屋に閉じこもっている人生では、それは無理です。

皆さん、部屋を出て人に出会ってください。自分の時間を、長所を使って、その人の幸せのために使ってください。

■心身ともに健康な状態

そのためには、心も体も健康な状態である必要があるのですが、特に心は生きていく上で様々な迷いの状態になります。迷いを一時的に消す方法は、いくらでもあります。お酒、ゲーム、テレビ・・・一時的に忘れることはできますが、逆にその方法を止めることへの不安が付きまといます。

しかし、僕は迷いのある状態こそが健康な状態だと思います。迷っている心をコントロールすること、心のスイッチを操作することを覚えればいいのです。そのための最良の方法が、本を読むことだと思います。

■心に火をつけろ

僕は、皆さんに「人財」となってほしいと思っています。「人材」でも「人在」でもない、まして「人罪」ではなく、社会にとっても家族にとっても必要とされる、「人財」です。そういう思いで心に火を灯してください。なかなか心に火がつかないときは、心に火がついている人と出会うことです。誰かが火をつけてくれるのを待ってもつけてくれません。冒頭に言った通り、自己責任なのです。

■一隅を照らす

大きな目標を持って成功することを目指すのではなく、自分にできる範囲のことをするという意味で「一隅を照らす」という言葉があります。今日のテーマである「自分らしく生きる」ためには、まさに一隅を照らすつもりで、自分の長所を生かして自分の周りの人を幸せにできるような仕事をしてください。

いろいろ話しましたが、この次に会う時は皆さんだけでなくお互いに「人財」となれるように、生きましょう。僕も頑張りますから、皆さんも頑張ってください。

ありがとうございました。


■編集後記

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早いもので、第三期を迎えた志・未来塾も本日で最終回。このメンバーの多くが卒業して社会人としての人生をスタートさせるかと思うと、毎年のことではありながら教育者として胸がいっぱいになる。

そこに添えられた喜多川先生からの最後の講演。自分の周囲を照らすつもりで、できる範囲のことをする。そうか。そういうつもりでやればいいんだという、心に火がついた状態になった学生も多くいたのではないか。若くても年老いても、人生というのはそういう毎日の連続でしかないのかもしれない。


中島みゆきがNHKの某番組にエンディングテーマとして提供した「ヘッドライト・テールライト」には、おそらくそういう毎日の連続を描写であろう情景が、以下のように描かれている。



 行く先を照らすのは まだ咲かぬ見果てぬ夢

 遥か後ろを照らすのは あどけない夢

 ヘッドライト テールライト

 旅はまだ終わらない



学生諸君、人生は一日一日の連続だ。だから幸せな人生にするために、好き・嫌いや出来る・出来ないと考える前に、出来る範囲でいいから、自分の長所で人を幸せにする仕事をしようではないか。悔いのない一日はテールライトとして、明るい未来はヘッドライトとして、君の人生を照らしてくれる。今生きているのは、長い人生のほんの一コマだ。あれこれ考えたって仕方ない。

実践あるのみ!

卒業、おめでとう!