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[12.07.27] 第4回 校友会未来塾 報告

第4回 NSGカレッジリーグ校友会未来塾

平成24年7月25日(水)19:00開始  会場: club ジョイア・ミーア 

講 師 : アルビレックス・レーシングチーム代表      nakamurasi

      株式会社スピードパーク新潟代表取締役社長  

                        中村 寿和 様 

                                                                                                        夢を実現に導いたレースへの情熱

中村氏がスピードに興味を持ったきっかけは、母親に習ったスキーだったそうだ。人間の力ではないものを使ってスピードを出すことに魅力を感じ、乗り物はスキーからバイクに変わっても、スピードに対する気持ちは高まるばかりで、高校からは仲間とレースに参戦するまでになっていたらしい。メカニックに関する知識や技術の一部は、レースに出ながら現場で覚えていったものだそうだ。そんな中村氏の短大2年の夏、耐久レースの予選会での事故が人生に転機をもたらした。医務室に運ばれ、ケガの状態を見るために買ったばかりの革のジャケットを切るといわれたときは、「切らないで脱がせて欲しい」とまで言った中村氏。まだ、レースに参戦することをあきらめてはいなかったのだ。しかし、そんな熱い気持ちとは裏腹に、復帰後一度だけ大会に出場するも、事故のことがよぎったのか、スピードがだせなかった。

 

 このとき、「自らがスピードを追い求める」という夢を中断し、サービスマンとしての仕事の日々となった。

 

そして、数年後、次の転機が訪れる。レーシングカートをやらないかと、人から誘われた。その頃、レーシングカートの練習場は新潟にはなく、県外で練習を重ね、その年の開幕戦に出場、劇的な勝利で終え、そのシリーズのシリーズチャンピオンにまで上り詰めた。「自らがスピードを追い求める」という夢の、復活である。これを機に夢の舞台は完全に四輪に移行し、カテゴリーを上げ、フォーミュラーカーに参戦。その後、新潟工科専門学校の教員となり、数年後、モータースポーツ科を立ち上げた。中村氏の夢が、後輩の育成、すなわち「後輩のスピードを追い求める夢を実現すること」にシフトした。 F1ドライバーという夢の実現に向っている卒業生と、その夢を応援し支えながらも自らの夢に向う先生としての中村氏と在校生たち。夢は繋がれていく。その後2004年には、新しい事業を応援するということばに後押しされ、中村氏の『走れる場所を作りたい』という夢が前進。2008年、国内最大級のカートコースを有する株式会社スピードパーク新潟を起業。2010年、アルビレーシングチームの総監督となる。

kaijou

 講演の冒頭で『好きなことが、良い方向に転がっただけ』と、中村氏は謙遜された。が、情熱のある人は、夢を周囲に話すことで、同じ夢を持つ人を呼び寄せるのだと思う。そして、それこそが、一人ではできない夢の実現のプロセスなのだろうと思う。

 

 これからの夢は、今モータースポーツが熱い中国・台湾になるべく早く進出することだそうだ。「進出したい」ではなく、「なるべく早く進出する」という表現からも、その実現への可能性が見える。ひとつ夢を実現すると、次のもっと大きな夢が見え、その実現に向けて進んでいく。中村氏の人生は、この繰り返しなのだと感じた。

 

『夢は逃げない、あなたが夢から逃げていく』と講演最後の中村氏のことばにドキッとした人も少なくないのではないだろうか。