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[12.09.11] 第5回 校友会未来塾 報告

第5回 NSGカレッジリーグ校友会未来塾

 平成24年9月10日(月)19:00開始  会場: club ジョイア・ミーア

講 師 : 株式会社 アルビレックス新潟ランニングクラブoonosi

取締役 大野 公彦 様

                                                                                                        

 新潟から世界へ

 

「成功体験はありません。失敗ばかりです。」

大野氏の話は、意外な角度からスタートした。

 

大野氏が経営に携わっている新潟アルビレックスランニングクラブは、日本で初めて実業団とクラブチームの方式を取り入れた経営モデルによって運営されている。その活動は多岐に渡っており、オリンピック選手を含む日本トップアスリートを輩出しつつ、ジュニアスポーツの普及から健康スポーツの拡大など、非常に多彩である。よく知られているところでは、「新潟シティマラソン」や「北信越かがやき総体」などの参加型大規模スポーツイベントの運営・サポートまでも手がけているそうである。

 

大野氏自身は、中学生で始めた陸上競技を高校・大学まで続け、大学4年のときには陸上に携わる仕事、それも大人を相手に携わりたいと思ったそうだ。しかし、思うようにいかない選手としての人生が、いつしか「自分で作ればいい」に変わり、ランニングクラブの運営を引き受けたそうだ。

kaijouo1 会社の設立当初は、「新潟から世界に活躍できる選手の育成」しか考えていなかった。しかし、お金を掛けずに選手育成もできるはずがなく、タレント事務所のように稼ぐという希望もすぐに無理だとわかった。日本陸連のルールと実業団のルールを守り、日本の中で通用する事業モデルをつくる。みんながハッピーになる仕組みを「ひたすら」考えたことが、現在につながっていると大野氏は語る。さらに、スポンサーの広告メリットではなく、会員とのwin-win関係を構築できる事業体であろうとする考えは、日本のスポーツビジネスに間違いなく新しい風を吹かせているのではないか。

 

会社に(またはチームに)人が集まって仕事をすると、それぞれの「想い」が少しずつ違うと、大野氏は経験を振り返りながら語る。その中から学んだ教訓として、「想いが行動を生み、行動が結果を招く」ということを紹介された。その情熱的な取り組みの一方で、「今の取り組みのままでは、将来的には通用しなくなる」という言葉には、大野氏の内面的な冷静さもうかがえる。

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大野氏の現実を伴う行動力、なんと素晴らしいことだろうか。『好きだから』という気持ちひとつでトライし(大野氏の言葉を借りると“突っ走り”)、ピンチもありながら、あきらめないで ひたすら考え続ける。そして、何よりも印象に残ったのは、『強い思いの部分に共感して助けてくれる人たちがいた』ということである。大野氏の心からの感謝と、実直な人柄が伝わるエピソードである。

 

大人になると(年齢を重ねると)、多くのことを考えてしまって躊躇する。若い時代の特権は、『好きの力』で突き進めることなのかもしれない。もう少し、気持ちだけでも若くありたいと思ったほど、エネルギッシュな講演であった。