[13.01.28] 第7回 NSGカレッジリーグ校友会未来塾 報告
第7回 NSGカレッジリーグ校友会未来塾
期 日 : 平成25年1月23日(水)
時 間 : 19:00開始(18:30開場)
会 場 : club ジョイア・ミーア
新潟市中央区東堀通7 番町1016-1
TEL:025-224-2588
講師:JR東日本新潟支社 営業部
新潟DC推進室室長 中澤 昭義 氏
講演テーマ:新潟デスティネーションキャンペーンからみた 新潟の魅力と発信力について
JRは列車を運行するだけではなく、列車の利用促進のための多くの事業を行っている。その中に旅行業があり、旅行の目的としての観光開発・イベント企画がある――。そう紹介されると、「なるほど」と思うが、我々の多くは、(申し訳ないが)移動手段の一つとしか捕らえてないだろう。団体旅行が盛んな時代から個人旅行者中心へとなり、観光も変わってきているそうだ。迎える側も創意工夫が求められているということだろうか。
JR東日本が新潟県と新潟県観光協会と合同で実施する新潟デスティネーションキャンペーンが、2014年春に実施されるらしく、その企画内容を話していただけた。新潟ならではの春の魅力を発信するべく企画が進行中とのこと。具体的には、メインコンテンツを食・花・雪・酒・匠として、地域ごとに取り組みが始まっているとのことである。縦に長い新潟県、標高差も大きい。山と平野と海と島、自然と各種産業と文化遺産。発信できるものは多い。しかし、それらの魅力にその地域の人が気づき、きちんと磨き上げ観光資源にしていかないと、長続きはしないと中澤氏は言う。キャンペーンのことだけではなく、その先のことも大切なのだそうだ。
3月30日にオープンする佐渡市の「トキふれあいプラザ」。佐渡では、金山も世界遺産登録に向け整備されてきた。4月8日、新潟駅にホテルメッツがオープンする。観光を構成する要素は、時と共に変わっていく。在ったものが無くなり、新しいビルも建つ。これが繰り返されながら、そこで暮らす人のニーズも変化する。そして、一つが終ると新しい次が始まる。だからこそ、その地域に暮らす人が作り上げていかないと、続かないといけない。地域の人が守らないと消えていくものもあるのだ。
新潟の観光業界にとって、2015年春は大きな転機となる。北陸新幹線が開業するのだ。
各種メディアでは石川・富山などの北陸へのルートばかりが注目されるが、新幹線路線を2本持つ県は、日本で唯一になるらしい。これをマイナスではなくプラスと考え、観光に生かす方法を考えることが必要だという。その具体的な方法が、新幹線の路線と路線の間を埋める交通機関の充実だという。JRには“びゅうばす”など列車以外の駅と観光地、駅と駅を結ぶ交通機関もあるが、しかし、利用者のニーズには追いつかない。その地域にあった仕組みがもっと出来て欲しい。中澤氏の言葉の端々には、「地域」「独自」という言葉が多く出てくる。キャンペーン後、10年、20年先と残っていくには、その地域が考え創っていかないと、続かない。押し付けや画一的な観光では無い独自のもの、地域の人が元気になって運営できることでないと続かないのだそうだ。
新潟デスティネーションキャンペーンの前年にあたる今年は、プレキャンペーンが実施される。そして、2015年はアフターキャンペーン。いってみれば3年間、デスティネーションキャンペーンが続く。わくわくする地域ごとの企画については、これからの新潟デスティネーションキャンペーンの広告に注目したい。
講演後のディスカッションでは、各グループで「新潟が発信できる魅力あるもの」について考えを出し合い、多くのコンテンツが発表された。発信のしかたでネットが多く注目されたのは、なるほどそういう時代なのであろう。
未来塾の後日、あるニュースを見た。新潟県知事と新潟県観光協会会長とJR東日本新潟支社長の3人の姿があった。新潟の観光が、間違いなく動き出しているのだと実感した。
講演の最後に、中澤氏は『点が線になるきっかけ作り』という言葉を使われた。校友会未来塾は、卒業生の交流やリーダーシップ育成で新潟の活性化に寄与するために行ってきたことを改めて思い出した。第7回を終えて、次年度に向けバージョンアップが検討されているが、観光と同様に、日本全国から注目される会になることを期待したい。