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第7回NSGカレッジリーグ在校生未来塾 取材後記
平成24年12月12日(水)、第7回在校生未来塾が開催された。講師は、アルビレックス新潟シンガポール社長の是永大輔様。
講演テーマは「出でよ!海外に!新潟」であった。
今回の在校生未来塾では、初の海外からのゲスト講師をお迎えした。とはいっても、日本人。シンガポールで活躍するアルビレックス新潟シンガポールの是永(これなが)社長。
屋内とはいえ、とても薄着で壇上に上がられたが、シンガポールが一年中30℃を超える常夏の国だとの説明に、納得。
講演の冒頭20分程度で、某テレビ番組で取り上げられたアルビレックス・シンガポールの取り組みが放映された。

アルビレックス新潟シンガポールとは、シンガポールのサッカーリーグ「Sリーグ」に属するサッカーチームで、日本のJ1で活躍するアルビレックス新潟のシンガポール版チームである。このシンガポール「Sリーグ」は、海外クラブや、U-23シンガポール代表チーム、U-23マレーシア代表チームといった特別なチームが参戦する新しい試みに満ちた「多国籍リーグ」だそうで、日本(Jリーグ)から見ても、チームを丸ごと輸出するという、全く新しい海外進出の仕組みらしい。シンガポールは、とても人口の少ない国であるため、あらゆる製品やサービスが、最初から海外向けも考慮して開発されると聞いたことがある。サッカーでも、国内だけではスポンサー獲得も限られるため、このような仕組みが作られているのであろう。
是永社長が目指しているものは大きく二つ。選手の育成と日本への貢献。
選手の育成については、シンガポールで一定期間活躍して、海外のチームに巣立っていくことを想定しているとのこと。選手に対して、引退までの明確な計画を立ててもらう取り組みや、既に50名を超える海外への移籍の実績を見ると、専門学校で学んで、社会へ巣立っていく仕組みと重なっても見える。
また、日本への貢献とは、「アジアのサッカーが強くなることで、日本のサッカーも強くなる」という信念を具現化すること。

とはいえ、現地(シンガポール)の人達からすると、全く知らない外国のチーム。なければ困るかというと、きっとそうでもない。そこで是永社長が取り組んだのは、このチームが必要だという理由(The reason)をつくること(存在意義の発見)であったそうだ。地域に根付くことへの取り組み。具体的には、子ども達にサッカーを教え、チアリーディングを教え、「現地のファン」を獲得した。実は、このような取り組みは、シンガポールに進出した日本の大手企業でも、あまり出来ていないことらしい。来年8月には、アルビレックス・バルセロナがスペインで始動する予定という。驚くことに、世界を見ると国連加盟国数よりも、サッカーのワールドカップに出場する国のほうが多いらしい。サッカーこそが世界を変えるという是永社長の信念は、着実に現実になりつつあると感じさせられた。

アルビレックスの取り組みを話された後、日本人が若いうちに海外に出るべき理由を話された。そのなかで、とても印象に残った言葉がある。「これからの日本は、もっと海外に巻き込まれなければならない。」2050年には1億人をはるかに下回ると予想される日本の人口では、今まで通りのやり方では、あらゆるものが成り立たないという。そんな時代を生きる事になる若者に、是永社長が語った、「日本人が海外に出るべき7つの理由」は、とても深く心に残った。
1)日本人は、中学までで「それなり」の英語教育を受けており、このレベルだけでも海外で充分に通じる。2)日本人は、時間を守り几帳面に仕事をするという意味で、仕事力がある。3)単一民族として培われた日本文化は、世界で似たようなものがないため、マーケットを作りやすい。4)国内に留まっても、人口減少社会である。5)若いうちの失敗は、(ある程度)笑い話で済ますことができる。6)実は、世界のいたるところに、先駆者としての日本人の存在がある。7)日本人のパスポートは、世界の数多くの国にビザ無しで行ける“無敵”な存在。
なるほど、私も海外に(旅行ではあるが)行った時に、はじめて分かる日本の素晴らしさがあった。そう考えると、永住するかどうかは別にして、旅行でも仕事でもいいから、ある程度の期間で海外に渡るのも、いいかもしれない。

グループディスカッションをした結果の発表で、「アフリカに行って子ども達を助けたい!」という夢の宣言が飛び出した。また、会の終盤では「もし自分が若ければ、バックパッカーとして世界を旅したい」という、是永社長のスケールの大きい願いも紹介された。

是永社長の講演に触発された学生と、(察するに)学生の元気な様子に触発された是永社長。今までの未来塾にないほどの活気が会場に満ちあふれた、素晴らしい会であった。
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