お役立ちコラム
2021年12月8日(水)
日本は世界が認めるアニメ大国です。日本のアニメは今や日本国内だけではなく世界中が注目しています。
大きなやりがいとともに目指している人も多く、人気作品を手がけるには相当な努力が必要です。
この記事では、「アニメーターって具体的にどのような仕事をしているのか」、「アニメーターになるためには何をすべきかを知りたい」方へ向けて、アニメーターの仕事内容や必要となるスキル、目指す過程をご説明します。
そもそもアニメ制作は担当業務ごとの専門のスペシャリストがおりチームワークで
作品を作り上げます。アニメーターとは一般的に「作画」工程を担当し、アニメシナリオに沿う絵を描いていきます。その他「背景制作」「着色・仕上げ」「制作進行」「撮影」などさまざまの担当業務があります。
アニメーターになるために特別な資格はありません。しかし、作品として安心して世に出すためには、画力が欠かせません。
画力をレベルアップさせるために必要な学習と、将来のビジョンをもとに進学先を選んではどうでしょうか。
もし就職したい企業や、描きたいキャラクターが決まっている場合は、就職実績をもとに進学先を選ぶことも可能です。
4年間しっかり時間をかけて画力を身につけたい方は、大学への進学をおすすめします。
特に美術系の大学では、授業の課題や卒業制作で自分の作品を評価されるため、「どれくらい成長できたか」を実感し、自分の得意・不得意を見つけられます。
画力以外にも、環境やメディアでの表現、教育などさまざまな角度から美術を学ぶことができます。
大学へ進学するメリットは、授業以外のアルバイトやサークル活動で大学生活を満喫したり、アニメーター以外の進路を考えた場合にエントリーできる企業が多いことです。
美術の教員免許を取得しておくと、進路変更だけではなく教える立場として、後輩の指導に役立てることもできるでしょう。
大学進学のデメリットは、時間とお金がかかる点です。
2年制の専門学校の卒業生や、高校を卒業後に就職して独学で学んでいる人は業務をこなしながら経験を積んでいます。
通常の大学生とは異なり、知識を身につけるだけではなく、自分のスキルを上げなければならないため、受験料、学費、授業で使用するものにかかるお金を、すべて取り返すくらい気合いを入れて努力しなければもったいないでしょう。
目標はアニメーター一筋で、より長くアニメーターに触れていたい、早く経験を積みたい場合は、専門学校への進学がおすすめです。
アニメーターを育成する専門学校では、先生や先輩・生徒が同じ目標に向かっています。
アニメーターになるための画力や知識を専門的に学ぶため、アニメーターになる準備を徹底的に行うことができます。
専門学校へ通うメリットは、アニメーターになるための環境が整っている点です。学習環境、同じ目標をもつ仲間、育成する先生、すでにアニメーターになっている先輩と充実しています。
やる気がない時も、周囲の生徒ががんばっていればモチベーションも維持しやすいでしょう。
またアニメ制作はチーム作業です。「アニメーター」「アニメ背景」「アニメ仕上げ」「制作進行」などさまざまな業務があり同じ目標を持つ仲間と作り上げます。
就職時には、就職試験の対策や業界研究ができているため、安心して挑むことができます。
専門学校のデメリットは、ほとんどの学校で2年間しか時間がない点です。アニメーターに必要な画力は、ただ絵をうまく描くだけではありません。
絵を動かしたときに違和感がないか、背景とキャラクターは馴染んでいるか、ターゲットに刺さるイラストかどうか、意見を取り入れて、それを絵に反映させる能力も必要です。
2年間で多くのことを学ばなければならないため、常に前向きにモチベーションを高めて通学することや、授業以外の時間をうまく使い、自主的に努力しなければなりません。
「時間もお金もかけたくない」人や「早く仕事に就いて業務内容を学びたい」人は、無理に進学する必要はありません。
アニメーターになるために資格も学歴も関係ないため、高校を卒業して就職が見込めそうな方や、現在社会人で働きながら学習を進めたい方は、独学での学習をおすすめします。
学校へ入学するための試験対策に時間を取られないので、思いついた瞬間から始めることができます。
しかし、独学は指導してくれる人がいないことや、ツラいときも自分だけで乗り切らなければならないので、「どれだけ自主的に正しい形で取り組める」かがカギとなるでしょう。
就職についての情報を収集する力と、誰からも支持(指示)されない環境でも継続する力が大切です。
独学のメリットは、自分のペースや好きなスタイルで学習を進めることができる点と、費用がかからない点です。
決められた題材や提出期限もなく、描きたいものを描いて実力を伸ばすことができます。
もちろん苦手なものを克服する作業も必要ですが、好きなペースでやる気があるときに行うなどして、できるだけストレスを溜めない工夫ができるでしょう。
また、学費がかからないため、絵を描く道具がそろえばすぐにスタートできます。
独学のデメリットは、一人で判断する場面が多い点です。
大学や専門学校であれば、自分の作品に対して評価やアドバイスをもらえますが、独学ではそれをしてくれる指導者がいません。
周りに指導してくれる人がいれば、積極的にお願いしましょう。いない場合は、SNSやコンテストを通して実力を計る場を設けることで、成長の確認やモチベーションの維持につなげましょう。
もし未経験から下積みとしてアニメーションの制作会社へ就職できたなら、先輩の業務の妨げにならない範囲で積極的に質問したり、活躍するアニメーターの描き方や完成品を近くで見ながら、すべて吸収するという意欲をもって働きましょう。
絵を描くことが好きであることはもちろん、周囲よりも画力が長けていたり、得意でなければ独学はあまりおすすめできません。
アニメーターには、絵コンテに命を吹き込み、アニメ作品の基盤となる原画を制作する「原画マン」と、キャラクターや登場するものを動かす「動画マン」がいます。
どちらもアニメーション制作を行ううえで欠かせない大切な仕事ではあるものの、それぞれの仕事内容は大きく異なるため、どんなアニメーターを目指すのかを考えることも大切です。
原画マンは、作品そのものを左右する重要なポジションです。
監督から作品の設定や、絵コンテを受け取り、監督のイメージ通りに再現する力と、新しいものを生み出すクリエイティブ性が重要です。
「このようなキャラクターにしてみよう」
「このような表情にしてみよう」
「背景の風景はあのような感じにしてみよう」
自分のクリエイティブ性を大切にしつつも、監督や制作スタッフのイメージ通りの原画に仕上げなければなりません。
動画マンは、原画マンから引き継いだ原稿に動きをつけます。原画マンが描いた原稿を動画用紙に再現することとなり、神経を使う作業です。
アニメーションはいくつもの動画用紙を用いて、登場するキャラクターやモノ、景色などを動かします。パラパラ漫画をイメージするとわかりやすいでしょう。
「キャラクターの表情が急激に変化していないか」、「指示書のタイミング通りにセリフが出せるかどうか」など、動画マンは画力に加え、原画マンの原稿と指示書を計画通りに完成させる力を求められます。
もし動画に不自然なシーンがあれば、描き足したり修正する作業も加わります。
原画マンが描いた絵と、指示書を忠実に再現しなければならないため、「絵を描くうえでの苦手」は少しでも克服することが大切です。
アニメーターを意識したとき、多くの人は原画マン思い浮かべるかもしれませんが、一般的には動画マンで実力をつけ、原画マンへの昇格を目指すこととなります。
前提として、画力を鍛えるには実践を重ねるしかありません。
多くのアニメーションを観て、たくさん絵を描いてください。
画力を鍛える方法はいくらでもあります。
大好きなアニメの動きを模写したり、近くにあるものに顔や手足をつけて表現したり、できるだけ毎日続けて行いましょう。
絵をうまく描くための感覚をできるだけ継続して養うことで、より早く上達することができるでしょう。
また、さまざまなタッチのアニメーションに触れると、自分の好き嫌いと、向き不向きが合っているかどうかがわかります。
アニメーターはひたすら絵と向き合うため、「目標としているアニメ」と「得意としている絵の雰囲気」が一致していることが理想的ではあります。
しかし、たとえ「好き」と「得意」が異なっていても、しっかり仕事としてがんばれるかどうか、自分の心と向き合っておきましょう。
なぜなら、自分の好きなものだけを描くだけでは、アニメーターの仕事に就くことは難しいためです。現場で求められる絵が描けるよう、苦手の克服作業も必要となるでしょう。
もし時間が取れるのであれば、色彩の勉強もおすすめです。センスのある色合いや見ている人が違和感をもたない色をセレクトする力も大切です。
アニメーターを目指す方に対して少しでも参考になればと、日本アニメ・マンガ専門学校(JAM)に通う菅原萌々さん(アニメーター科2年生/新潟県・東京学館新潟高等学校出身)に、気になるあれこれを聞いてみました。
A:デザイン系に行くかアニメ系に進むか迷っていました。
でもJAMのオープンキャンパスに参加して、やっぱりアニメを学びたい!と思ったからです。
A:学校から帰ってその日やることを済ませたら早めに寝るようにしています。
そして次の日早起きして絵を描いています!
A:アニメ会社に就職できたことです。他にも絵が上手くなったり、
何より好きな事に全力で取り組めるとこがとても楽しいです。
アニメーターは、アニメ大国である日本において必要不可欠なやりがいのある仕事です。
当然、人気の高い職業でもあるため「ただ絵を描くことが好き」だけでは、仕事を進めることが難しいかもしれません。
人を惹きつける画力やクリエイティブ性、監督や制作スタッフのイメージを再現する力、地道な作業をこなす忍耐力と体力、それがそろって初めてスタートラインに立つことができます。
これらを独学ですべて身につけていくのに不安を感じるようなら、専門学校などでしっかりと基礎を固めることをおすすめします。
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