お役立ちコラム

大学と専門学校の違いとは?それぞれの比較や特徴、おすすめの人などを紹介

2022218(金)

「大学と専門学校って何が違うの?」「専門学校に行きたいけど、大卒の資格も取りたい!」
高校卒業後、専門学校か大学どちらに進学するか悩む人も多いのではないでしょうか。

この記事では大学と専門学校の特徴やメリット・デメリット、それぞれにおすすめの人などを詳しく解説します。

さらに、専門学校に在籍しながら大卒資格を取得できる「併修制度」や専門学校卒業後に大学に入る「編入制度」についても紹介しているため、進路に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

  1. 大学と専門学校の違いとは?それぞれの比較や特徴、おすすめの人などを紹介
  2. 専門学校の特徴
  3. 大学進学のメリット・デメリット
  4. 専門学校進学のメリット・デメリット
  5. 大学と専門学校の併修、編入も可能
  6. 大学進学がおすすめな人
  7. 専門学校進学がおすすめな人
  8. まとめ

大学の特徴


大学では4年間または6年間、自分の興味のあることを研究できます。
ここでは大学の特徴を3つ紹介します。

幅広い教養が身につく

大学の授業には「教養科目」と「専門科目」があります。
教養科目には哲学や美術史、語学、政治学、化学、環境問題、スポーツなどがあり、自分の興味のある授業を取ることが可能です。

専門科目では、自分の専攻に関する勉強をします。
例えば経済学部では、統計学や経済史、金融論など専門的なことを学びます。

教養科目で自分の興味がある分野を学び、専門科目でより深い知識を習得するため、幅広い教養が身につきます。

4年~6年という長い時間をかけて研究ができる

医学部や薬学部は6年間、それ以外の学部は4年間、自分の興味がある分野についてじっくり勉強できます。
多くの大学では、学年ごとに次のことを学びます。

1年次:一般教養や自分が専攻する分野の基礎知識を勉強し、レポートの書き方やプレゼンテーションの方法を習得する。
2年次:専攻する分野の幅広い知識を学ぶ。2年次からゼミへ所属する大学もある。
3年次:研究室に所属し、ゼミが始まる。教授のもとでより専門的なことを学ぶ。
4年次:自分の興味がある研究テーマを見つけ、卒業論文の執筆や卒業制作の作成をおこなう。 

このように大学では、低学年で基礎知識をつけ、高学年でより専門的な学習をおこないます。

かかる費用

大学の学費は、私立大学と国立大学で異なります。

私立大学

文部科学省が公表している令和3年度入学者の平均費用は次のとおりです。

  授業料 入学料 施設設備費 合計
私立大学 93万943円 24万5,951円 18万186円 135万7,080円
  私立大学
授業料 93万943円
入学料 24万5,951円
施設設備費 18万186円
合計 135万7,080円

私立大学の場合、4年間の学費で450万円以上かかります。

国立大学

国立大学の授業料は国が定める標準額があり、その基準に従い各大学が金額を設定しています。
国の標準額は次のとおりです。

  授業料 入学料 合計
国立大学 53万5,800円 28万2,000円 81万7,800円
  国立大学
授業料 53万5,800円
入学料 28万2,000円
合計 81万7,800円

国立大学の場合、4年間の学費で約250万円かかります。

さらに1人暮らしの場合、学費のほかにアパートの家賃や生活費などがかかります。
令和2年度の日本学生支援機構の調査によれば、1人暮らしをしている大学生の1年間の生活費平均は次のとおりです。

食費 住居・光熱費 保健衛生費 娯楽・し好費 その他の日常費 合計
27万3,400円 49万7,700円 4万2,300円 13万6,200円 15万8,800円 110万8,400円
食費 27万3,400円
住居・光熱費 49万7,700円
保健衛生費 4万2,300円
娯楽・し好費 13万6,200円
その他の日常費 15万8,800円
合計 110万8,400円

1人暮らしをすれば、1年間で約110万円、4年間で約440万円かかります。
私立大学に通う場合、学費と生活費を合わせると4年間で約900万円かかる計算になり、金銭的な負担が大きくなります。

専門学校の特徴


専門学校は仕事に必要な知識や技術を学び、社会に出てから即戦力となれる授業を受けられます。
ここでは、専門学校の特徴を3つ紹介します。

資格取得に繋がる授業を受けられる

職業によっては仕事につくため資格が必要な場合があります。
例えば調理師になるには調理師免許が必要です。
通常、調理師免許を取得するためには2年以上の実務経験と筆記試験が必要です。
しかし、調理の専門学校に入れば調理師に必要な知識と技術を学ぶため、卒業と同時に調理師免許がもらえます。

このように専門学校では資格取得につながる授業を受けることができます。
調理師免許のほかにも、専門学校を卒業すれば取得できる資格や、受験資格が得られる資格もあります。

専門学校を卒業すると取れる国家資格(例)

測量士補 修業年限1年以上
調理師 修業年限1年以上
栄養士 修業年限2年以上
保育士 修業年限2年以上
幼稚園教諭2種 修業年限2年以上

専門学校を卒業すると受験資格が得られる国家資格(例)

建築士(2級・木造) 修業年限2年以上
自動車整備士2級 修業年限2年以上
消防設備士(甲種) 修業年限2年以上
准看護師 修業年限2年以上
美容師 修業年限2年以上
税理士 修業年限2年以上

2年で卒業して就職できる

専門学校の授業は実習が多く、必要な知識や技術を2年間で習得できます。
卒業後は専門学校で学んだ知識を活かして仕事ができるため、即戦力として活躍できるでしょう。
また、若いうちに社会に出ることで、自分の将来設計を柔軟に立てることができます。
将来なりたい職業が決まっていて、早く社会人になりたい人には専門学校がおすすめです。

かかる費用

日本学生支援機構の専修学校生生活調査結果(平成30年度)によると、私立の専門学校の学費等は次のとおりです。

授業料 その他の学校納付金 修学費 課外活動費 合計
81万5,100円 19万8,900円 10万1,000円 8,500円 112万3,500円
授業料 81万5,100円
その他の学校納付金 19万8,900円
修学費 10万1,000円
課外活動費 8,500円
合計 112万3,500円

専門学校の学費等は1年間で約110万円となっています(通学費除く)。
進学する学科によって費用は異なるため、2年間で200万円から300万円程度かかります。

大学進学のメリット・デメリット


ここでは大学進学のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

卒業後の選択肢が多い

企業によっては「大卒以上」で採用をおこなっているところもあるため、大学を卒業すればたいていの会社の採用試験を受けられます。
また「大学卒業後も研究を続けたい」と希望する場合は大学院進学の道もあり、卒業後の進路選択の道が広くなっています。

自由に使える時間が多い

大学では自分で時間割を組めるため、サークル活動やアルバイトなど、自分の好きなことができる時間を確保できます。
また夏休みは約2ヵ月、冬休みは約1ヵ月あるため、短期留学や旅行などまとまった時間が必要なイベントにも行けます。

デメリット

経済的負担が大きい

私立大学で1人暮らしの場合、4年間で900万円以上かかることもあります。
奨学金を有利子で借りる場合(無利子の奨学金もあります)、毎月5万円借りれば4年間で240万円となり、これに加えて利子も返済しなくてはなりません。
卒業後に始まる奨学金返済は10年以上続くこともあるので、こうした点も予め考慮の上将来設計を立てることが重要となります。

大学で学んだことが仕事に直接関係するわけではない

大学は学問を探求する場所のため、大学で学んだことが必ずしも就職と関係するわけではありません。
そのため、自分の興味のある勉強と、就職のための勉強が必要になることがあります。
例えば文学部で地方公務員になりたい場合、大学では文学に関する勉強をして、公務員試験に必要な法律や経済の知識はダブルスクールをして勉強することもあります。

専門学校進学のメリット・デメリット


ここでは、専門学校進学のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

実践的な授業が多いため、習得できるスキルが多い

専門学校では実践的な演習やインターン研修など、社会に出てからの働き方を学べます。
そのため仕事に必要な技術だけではなく、主体性やコミュニケーション力、自己管理能力なども養われます。
社会人として必要な能力を専門学校のうちに習得することで、社会に出てからも即戦力として働くことができます。

同じ目標を目指す仲間と切磋琢磨できる

専門学校では、目指す職業ごとにコースがわかれています。
そのため、クラスメイトは同じ目標を目指すライバルでもあり、仲間でもあります。
1人ではできないことも仲間と一緒なら頑張れるでしょう。

デメリット

進路を変えたい時に方向転換が難しい

専門学校は特定の職業を目指すための学校です。
そのため、途中でなりたい職業が変わると進路を変更するのが難しくなります。

就職が難しい業種もある

企業によっては大卒しか採用しない、もしくは大卒を優先するところもあります。
行きたい会社がある場合は、あらかじめ求人情報を確認する必要があります。

大学と専門学校の併修、編入も可能


専門学校と大学のどちらが良いか決められないという人は、専門学校に在籍しながら大学の授業も学べる「併修」や、専門学校卒業後、大学2年次または3年次に入る「編入」がおすすめです。

併修制度

併修とは、専門学校と大学の授業を受けることです。
日中は専門学校で勉強し、大学の授業は通信教育で学びます。
卒業すれば、「専門卒」と「大卒」両方の資格が得られるため、職業選択の幅も広がるでしょう。

編入制度

編入とは、専門学校卒業後に大学の2年次または3年次に入学することです。
編入制度の有無は大学によって異なるため、行きたい大学がある場合は事前に確認しておきましょう。

編入試験の内容は、小論文、英語、面接のところが多いですが、大学によって異なります。
また、書類審査で専門学校の成績を提出するところもあります。

専門学校を卒業してすぐ大学へ編入するためには、専門学校2年目に編入試験を受けなければなりません。そのため、編入を希望する場合は専門学校1年生のうちから準備が必要です。

大学進学がおすすめな人


ここでは、大学進学に向いている人の特徴を3つ紹介します。

自分の興味があることをじっくり勉強したい人

大学では好きな授業を受けられるため、自分の興味があることを存分に勉強できます。
また、卒業論文や卒業研究では自分でテーマを決めて執筆や制作をおこないます。
参考となる論文や専門書を読んだり調査をおこなったりして興味のあることを掘り下げるため、じっくり勉強したい人に向いています。

将来なりたい職業が決まっていない人

やりたいことが複数あったり、将来がはっきりと決まっていない人は、大学に進学して自分の好きなことを探すのも良いでしょう。
大学では4年間で幅広く勉強できるため、自分の将来についてもゆっくり考えられるはずです。

時間を自由に使いたい人

大学では必修科目以外は自分で自由に時間割を組むことができます。
そのため、1年生から3年生で集中的に単位をとり、4年生ではインターンやアルバイト中心の生活を送る人もいます。

専門学校進学がおすすめな人


ここでは、専門学校進学に向いている人の特徴を3つ紹介します。

なりたい職業が決まっている人

専門学校では仕事に必要な知識と技術を実践的に教えてくれるため、最短ルートで憧れの職業につくことができます。
例えば調理の専門学校では調理の技術のほか、栄養学や衛生学も学べるため、社会に出てから活かせる技術を身につけられます。

仕事に役立つ勉強がしたい人

大学では自分の勉強してきたことが将来の仕事に関係するとは限りません。
専門学校の授業は、なりたい仕事に必要な知識や技術を学ぶため、勉強の目的が明確です。
自分が何のために学んでいるのかはっきりしているため、勉強に対するモチベーションも維持できます。

目標は決まっているが、学力に自信がない人

大学に進学するためには、受験で合格しなければなりません。
多くの大学では、大学入学共通テストと大学ごとの2次試験が課されます。
将来の目標は決まっているものの、 学力に自信がなかったり、倍率の高い大学を志望している場合は不安になるかもしれません。
専門学校の入試は書類審査と面接、作文だけで学力試験がないところもあります。
「目標がありやる気はあるけど、学力に自信がない」という人は専門学校がおすすめです。

まとめ

大学は4年間かけて自分の興味のあることを勉強できるところ、専門学校はなりたい職業の知識や技術を身につけられるところです。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分の将来を考えて進学先を決めるのが良いでしょう。
また、「どうしても進路を決められない」という人は、併修や編入の制度を検討することもおすすめです。

PICKUP

新着コラム

このページの先頭へ