お役立ちコラム
2021年12月8日(水)
CG(コンピュータグラフィック)では、幻想的な風景から可愛らしいキャラクターまでコンピュータを使って制作することができます。
現実では再現できないものをコンピュータの力で創り出すことができ、普段何気なく目にする映画やドラマにも欠かせない技術です。
また最近では、ITや建築業界において、実物を作る前のイメージ案としてCGが役立てられています。
この記事では、
「CGデザイナーの具体的な仕事内容がイマイチわからない」
「CGデザイナーを目指しているが何をすればいいかわからない」
といった方へ向けて、「CGデザイナー」の仕事内容や、なるための手段をご説明します。
まず「CG」とはコンピュータグラフィックの略で、コンピュータを駆使して、現実では表現できない景色やキャラクターを制作します。
職種としては「CGデザイナー」や「CGクリエイター」と呼ばれ、テレビ番組や映画製作、設計やものづくりの現場など、就職先によって仕事の内容が大きく異なります。CG技術を活かしたARや、家庭用VRの普及で、スキルを活かす場は年々広がっています。
CGデザイナーに必要な資格はありませんが、多くの人は大学・専門学校で学んでいるため、学習する場を設けてから就職するのが一般的です。
また、キャリア形成も就職先や経験した業務内容により異なり、純粋に「CGデザイン」を極め独立することもでき、経験を重ねればマネジメントの道へ進むこともできるでしょう。
CGデザイナーの仕事内容は、就職した企業により異なります。
アニメ・ゲームの制作会社であれば、作品に登場するキャラクターから、背景に小さく映る雑草や空き缶のような細かい部分まで制作します。「自分で絵を描きたい!」人が志望することが多くなっています。
映画制作であれば、爆発シーンや空を飛ぶシーンなど、現実では表現することが難しいシーンを表現でき、観ている人を楽しませてくれます。
建築やITの分野であれば、計画段階でのシミュレーションをCGで作成することにより、実際の作業に取りかかる前に大まかなイメージをつかむことができます。
つまり、どのような分野においても「CG」は欠かせない技術です。
しかし、「純粋に絵を描きたい」人や「自分の成果物を世に出したい」人は、それなりのセンスと経験値が必要となります。
しかしながら、「センスがないから無理」というわけではありません。
デザイン性やクリエイティブ性のほかにも、見積や計画を立てられる人材も欠かせないため、ほかの業務ができることで採用につながることもあるのです。
アシスタントとしてサポートする側に回ることもできるほか、ITに関する知識があれば、プロジェクトを進めたり管理したりすることも可能です。
目指すジャンルや、働き方によって労働量や給与に大きく差が出る点も「CGデザイナー」の特徴といえるでしょう。
CGデザイナーになるためには、資格や学歴が重視されるケースは少なく、独学でも専門学校でも大学でもスキルの習得自体は可能と言えます。
しかし、アニメ・ゲーム業界が人気のある日本で「CGデザイナー」として働きたいと考えるのは日本人だけではありません。
海外から応募する人も多く、人気企業を目指すなら大学・専門学校で基礎を固めることをおすすめします。
すでに活躍するデザイナーやクリエイターの作品を見て刺激を受けたり、頭で考えるだけではなく実際に作品にしてみたり、インプットとアウトプットをバランスよく行い、量をこなしながらスピードも身につけるといいでしょう。
現在は、自分のスキルをインターネットで簡単に発信できる時代です。自分で作った作品をSNSなどに公開し評価を得ておくと、アピールに活かせるだけでなく自信にもつながるでしょう。
美術大学あるいは情報・工科系学部のある大学に進学してからCGデザイナーを目指すこともできます。
すぐに就職してスキルを磨くよりも時間に余裕が生まれ、デッサンやカラーのことを学ぶと「CGデザイナー」に役立つスキルとなります。
デザイン性やイラスト力が求められる現場では画力が欠かせないため、美術大学でスキルを磨いておくと有利でしょう。
また、CG技術を使う作業がマニュアル化されている現場では、工科・情報系の学部で学んでおくと、仕事をスピーディに覚えられます。
大学進学のメリットは、新卒採用や転職で、万が一「CGデザイナー」以外の職を考えたときに「4年制大学卒業」が条件となる会社にエントリーできる点です。
一方で、デメリットとなるのが、大学を卒業するために「CGデザイナー」とまったく関係ない授業を受け、単位を取得しなければならない点です。
一般教養や言語の授業でもレポートやテスト勉強に時間と体力を使うため、純粋に「CGデザイナー」だけを目指す場合はあまりおすすめできません。
「CGデザイナー」を徹底して学習したい方は専門学校への進学をおすすめします。専門学校では、その道の先生や同じようにCGデザイナーを目指す生徒と出会えます。情報交換をしたり、わからないことを質問したりでき、モチベーションを保ちやすいでしょう。
専門学校へ進学するメリットは、多くの学校で2年制のカリキュラムを組んでおり、早く社会に出られる点や、4年生大学に比べて学費を抑えられる点です。
学校を卒業した人の多くが「CGデザイナー」や関連する職に就くため、先輩方からノウハウを教わったり、業界に特化した就職対策を行ってくれるため、一人での就職活動が不安な人は専門学校への進学をおすすめします。
一方でデメリットは、「CGデザイナー」以外の職を考えたときに、やや動きにくくなる点や、美大卒の人たちがライバルとなる可能性があることです。
必ずしも美大出身者が有利なわけではありません。しかし美大を卒業した人は、少なくとも4年間は自分の画力を磨いています。CG技術を身につけるよりも、画力を身につけることにおいて見劣りすることはあるかもしれません。
短い年数のなかでも、在学中に画力をしっかりと磨いておくことが大切です。
CGデザイナーは、就職する場所により求められるスキルが異なります。
しかし共通していえることは「コンピュータで専用ソフトを使いこなす技術」があることが最低限です。
加えて、クライアントからの要求に応える能力、制作予算の管理能力、現場での交渉力、スピーディかつ確実に仕事をこなす能力などがあると重宝されるでしょう。
実務では自分一人で完結させるよりも、ほかのメンバーと協力して作品を生み出すことが多くなります。
メンバーあるいはクライアントに対し、相手の要求を呑んだり、自分の意見を述べたり、柔軟に対応できる人材であると働きやすいのではないでしょうか。
また、未公開の作品が一般に流出してしまうといったトラブルが起こると、裁判沙汰にもつながりかねません。
制作物の著作権や情報セキュリティに関する知識をしっかりと持っておくこともおすすめします。
CGクリエイター検定は、CG-ARTS協会(画像情報教育振興協会)が主催している検定のひとつです。
等級はベーシックとエキスパートの2種類で併願することが可能です。また受検資格を設けていないため、申し込めば誰でも受検することが可能です。
時間を取りやすい在学中に、受験しておくことがおすすめです。
検定内容は、2次元・3次元のCG制作や、アニメーションに制作などの基本的なスキルや仕事をするうえでの知識が問われます。
合格率は、ベーシックで70%と取得しやすいものの、エキスパートでは22%まで合格率が下がります。
ベーシックでもエキスパートでも、公式のテキストを使用し独学で合格することができますが、いきなりエキスパートを受検するのはリスクが大きい為、ベーシックから順に合格を目指すことをおすすめします。
合格できれば、検定へ向けて努力した時間や、CGクリエイターに関しての最低限の実力はあることを証明することができます。
業種によってはIT関連やデザイン関連のほかの資格とセットで取得することでより力を発揮するでしょう。
CGデザイナーを目指す方に対して少しでも参考になればと、新潟デザイン専門学校(NCAD)に通う長部敬人さん(デジタルデザイン科/科学技術学園高校出身)に、気になるあれこれを聞いてみました。
A:地元に芸術系の大学があって毎年作品展を見に行っていたこともあり、最初は大学という場所に興味や憧れを持っていました。
ただ、大学はどこも入学試験にデッサンなどの実技試験が必要で初心者の自分には難易度が高いのではと。
色々と検討の末、実技試験がない専門学校という選択、それでいて3年制でじっくりデザインのことを学べるNCAD_デジタルデザイン科への進学に至りました。
A:学校が力を入れている産学連携の一環で、「水曜見ナイト」というテレビ番組のオープニング制作に携わることができたことです。
直接コミュニケーションが制限される情勢下でも、みんなで協力しながら進めなんとか完成させたことの達成感。また、入学前から親子ともに毎週録画するくらい好きで観ていた番組だっただけに、完成したオープニング映像が毎週流れるのがとても嬉しかったです。
「CGデザイナー」は、CG技術を使いこなすスキルに加え、画力やセンスも問われます。
机上で知識だけを蓄えていれば上達するスキルではなく、作品を積極的に制作したり、ほかのデザイナーの作品に触れることで画力・センスを磨くことができます。
特に、アニメ・映画などのエンターテインメント領域を目指すなら、日常の風景や人の動作からもたくさんのヒントを得られるため、観察する習慣をつけると仕事に活かすことも可能です。
大学に進学しても専門学校へ進学しても、授業を受けるだけではなく、自分から吸収する姿勢をもつ必要があるでしょう。
もちろん技術職である以上は、就職した後も進化していくCG技術に追いつけるよう学び続けることも大切です。
CG技術を使ってどのような仕事に携わりたいでしょうか。
進路は、自分が興味をもつ分野や将来の目標を踏まえて選ぶことをおすすめします。
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