お役立ちコラム
2021年12月8日(水)
テレビや雑誌でみかける「フードコーディネーター」とはいったいどのような仕事なのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
今回はフードコーディネーターの仕事内容から、どうすればフードコーディネーターになれるのか、資格の有無や、試験の難易度などをご紹介します。
また、フリーランスや企業への就職など、様々な働き方についても解説します。
フードコーディネーターとは「食」に関する知識や経験をいかして、さまざまな角度から提案を行う仕事です。日本フードコーディネーター協会では『新しい食の「ブランド」「トレンド」を創る食の「開発」「演出」「運営」のクリエーター』と定義しています。
企業のレシピ開発や料理番組への出演、メーカーのアドバイザーなどに関わり、自身のアイデア次第では食材や調理器具のプロデュース、レシピ本の出版、料理教室の運営などその活動は多岐にわたります。
フードコーディネーターに国家資格は無く、あくまでも民間の資格のみです。日本では「日本フードコーディネーター協会」が認定試験を実施しています。
フードコーディネーターの資格は、以下の3種があります。
・フードコーディネーター3級
・フードコーディネーター2級
(レストランプロデュース、商品開発、イベントメディア)分野別
・フードコーディネーター1級
(レストランプロデュース、商品開発、イベントメディア)分野別
入門的な内容で「文化」「科学」「デザイン・アート」「経済・経営」の4分野の幅広い知識を試され、試験は1次試験のみです。CBT方式で行われます。
1分野25問の4分野、計100問で120分の試験時間です。
専門学校の指定カリキュラムに組み込まれている場合、卒業と同時に無試験で取得することも可能です。
3級認定登録者が受験資格となり、より専門的な「レストランプロデュース」「商品開発」「食の生産・流通・消費」「ホスピタリティー&ライフサポート」「イベント・メディア」などフードビシネスに関わる専門知識と企画力が試されます。
試験は2次試験まであり、1次試験はCBT方式で1分野20問の5分野100問で、120分の試験時間です。
1次試験合格者は2次試験受験講座をオンラインにて受講します。
レストランプロデュース、商品開発、イベントメディアのうち1つを選択して企画書を提出します。2級レベルの知識の習得があると評価されれば、合格です。資格は分野別となります。
2級資格認定登録者が受験資格です。
1次試験は企画書の提出、レストランプロデュース、商品開発、イベントメディアの分野のうち1つを選択して企画書を提出します。
企画書が合格と認定されれば2次試験です。指定の会場で合格となった企画書を使ってプレゼンテーションを行います。
プレゼンテーションの内容は、次の3つがあります。
自己紹介3分、企画のプレゼンテーション15分、質疑応答10分、合格すると認定登録申請書が送付されて登録の手続きをもって資格保有者となれます。
1級も分野別の資格受験です。
フードコーディネーターは3級から受験します。合格率は70%〜80%といわれています。
フードコーディネーター2級は1次試験に合格すればオンライン講座を受講して、企画書を提出します。1次試験突破が鍵となるでしょう。
<1次試験の合格率>
2019年 86.49%
2018年 83.85%
2017年 80.26%
参考までに2017年までの2次試験は2時間の自由筆記でした。
<2次試験(3分野合計)合格率>
2017年 61.45%
2016年 42.37%
2015年 43.00%
フードコーディネーター1級は企画書の提出から審査されます。
プロとして活躍するために、実践的な知識と技術が試される試験で、狭き門となっています。協会のホームページでも「各分野のスペシャリストとの共同作業の中で、問題と解決方法を見出し、的確な方向性を示す能力が求められます」と高度な能力を求めています。
<2019年 1次試験合格率>
レストランプロデュース 54.6%
商品開発 48.6%
イベント・メディア 33.3%
3分野合計 46.6%
<2019年 2次試験合格率>
レストランプロデュース 100%
商品開発 88.9%
イベント・メディア 90.0%
3分野合計 90.0%
参考サイト:特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会
フリーランスと会社員で働き方が変わりますが、基本的には自由度が高く、自分次第といえるでしょう。
テレビや雑誌などのメディアに出演し、料理のレシピを紹介することはフードコーディネーターの主な仕事です。裏方として企画やコーディネート、監修のみを行うこともありますが、自らがメディアに出演して伝えることもあります。最近では浜田陽子さんなどがテレビで活躍されています。
食品メーカーや飲食店でのメニュー作りや店舗プロデュースにまで携わることもあります。その店舗やメーカーの特色が生かされたメニューの考案やマネージメントに関わることも仕事の1つでしょう。小針衣里加さんが餃子の王将のメニューの監修などをされていました。ビジネス上での提案として、喜ばれるメニューを心がけましょう。
経験を積んだフードコーディネーターは、企業のアドバイザーになることもあります。商品開発から経営コンサルティングのような業務に携わる方もいます。講演会でスピーチをしたり、大学・専門学校の講師として指導をしたりする方もいるでしょう。
自身で料理教室を主催します。テーブルコーディネートまで行う総合プロデュースや撮影などで使うキッチンスタジオの経営などを手掛ける方もいます。
いまやフリーランスとしては不可欠な仕事です。自身の紹介はもちろん、主催する教室の宣伝にもなります。レシピ動画の発信などでメディアのお仕事に繋がることもあります。
参考サイト:宮前真樹 オフィシャルブログ Powered by Ameba 宮前真樹 宮前真樹 オフィシャルブログ Powered by Ameba
フードコーディネーターの一般的な就職先としてあげられる、食品の製造や関連事業をメインとする企業です。商品企画や新メニューの開発などに参加できることは魅力の1つです。
飲食店で働くフードコーディネーターは、新メニューやレシピの開発に携わります。大手チェーンやファーストフード店などが候補です。その店舗のコンセプトに合わせた「地元野菜を生かしたメニュー」「健康的に食べられるメニュー」など特色あるメニューを開発します。
キッチンスタジオや料理教室では、フードコーディネーターが講師として料理のレシピや献立の立て方、テーブルのセッティングや器などトータルコーディネートなどを教えます。そこで経験を積み、独立する方もいます。
スポーツ関連のフードコーディネーターは、スポーツに合わせた身体の鍛え方を考え、食事を提案します。効果的なレシピや必要な栄養素、適度な量などをアドバイスします。特定のチーム専属フードコーディネーターもいます。
フードコーディネーターになるには資格は必要なのでしょうか?就職では有利になるのでしょうか?
豊富な経験や知識があってこそフードコーディネーターは活躍ができます。実績のないままスタートをしても第一線で活躍することは難しいでしょう。ライフブランディングをしっかりと考えて工夫をしていく必要があります。
多くのフードコーディネーターが飲食店や一般企業、すでに活躍されているフードコーディネーターのもとで経験を積んでから独立する方が多いです。
一部の求人では「フードコーディネーター」というキーワードで求人をされている企業もあります。
実際に大手求人サイトで「フードコーディネーター」で検索してみると料理動画の監修や通信講座の講師、出張シェフの会社などがあり、今までとは違った需要もあります。
フードコーディネーターを目指す方に対して少しでも参考になればと、国際調理製菓専門学校(Food)に通う小島悠(カフェ学科/小出高校出身)さんに、気になるあれこれを聞いてみました。
A:将来の夢は、作る料理や接客サービスで人を喜ばせることができるカフェスタッフになることです。
調理の基本技術だけでなく、挨拶・マナーなど食の業界で必要とされる礼儀礼節や学生レストラン運営など
実践的な学びができることが決め手です。
A:Foodのカフェ学科2年制を修了すると卒業と同時に無試験で「調理師(国家資格)」と「フードコーディネーター」を取得することができます。調理・製菓製パン・ドリンク・経営すべて学べる学科なので、将来就職先の選択の幅が広がります。
フードコーディネーターは知識を学んでしっかりと経験を積んでいけば、自身のアイデアを活かして自由な活動ができる仕事です。学習のためにも資格を取得しておいた方が、選択肢が広がるでしょう。
フードコーディネーターになりたい方や興味を持った方は、今回の記事を参考にして、有効な勉強方法を見つけてください。
また、フードコーディネーターにも様々な働き方があるため、どのような働き方をしたいのかも考えておきましょう。
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