お役立ちコラム
2021年12月8日(水)
「栄養士を目指す為に資格を取りたい!」と思っている方は多いでしょう。
しかし、資格の取得方法や資格の種類、取得難易度、仕事内容などは意外と知られていません。
また管理栄養士との違いもはっきり理解できていない方が多いのではないでしょうか。
この記事では、栄養士になるために必要な情報を解説します。
栄養士の仕事は、施設や会社などの集団や個人などに対して、栄養面から健康的な食生活のアドバイスをすることです。
栄養士が活躍する仕事場は、子どもたちの成長に関わる給食を提供する教育機関、病気を抱える人に食生活のアドバイスや健康サポートを行う医療機関・介護施設などです。
学校で給食を調理したり、医療機関などで献立や材料の発注、調理まで担当することも栄養士の仕事です。
栄養士は国家資格の一つですが、資格取得の為に試験を受けることはありません。
しかし、資格取得のために厚生労働省が指定した昼間部の栄養士養成施設を卒業する必要があります。
栄養士養成施設は大学、短大、専門学校と分かれており、目的に応じて選択することができます。
・4年制大学
・3年制短期大学、専門学校
・2年生短期大学、専門学校
栄養士養成施設は多岐に亘ってカリキュラムがありますが、どこを卒業しても栄養士の資格を取ることができることに変わりありません。
栄養士の資格は栄養士養成施設の卒業と同時に資格を得られますが、管理栄養士の受験資格を得るには1~3年の実務経験が必要となります。
ただし、管理栄養士養成施設を卒業すると実務経験が免除され、管理栄養士国家試験に合格すれば管理栄養士になることができます。
将来的なスキルアップを考えるのであれば、管理栄養士養成施設にも該当する学校を選ぶといいでしょう。
栄養士養成施設は全国にさまざまあります。それぞれに特徴があり、授業内容は異なります。
自分に合った施設を選ぶことが大切です。
ここでは、施設で学べる授業の種類をいくつか紹介しましょう。
・栄養指導論
人の栄養状態・食環境・健康などの収集や分析を行い、総合的に評価・判断する科目です。
授業では栄養士と相談役に分かれた実技習得を目指す実習なども行います。
・調理学実習
包丁の取り扱いの基本から実際の調理方法などを習得します。
日本料理の生物・焼き物・揚げ物・煮物・蒸し物や、本格的な西洋料理・中華料理を学ぶこともあります。
・給食管理
模擬の給食経営管理センターで、材料の検収、下処理、調理、盛り付け、配膳、洗浄までを衛生的に実施する授業を行います。
最新の衛生管理システムが入っている養成施設では、本格的に給食センターでの実務を学べる授業を受けることができます。
・臨床栄養学
正しい食事療法で、健康な体づくりについて学びます。
臨床栄養学は、食生活と疾病の関係を研究する授業で、病気の進行防止を考えた栄養学と言うと分かりやすいですね。
また、中には乳児から高齢者まで幅広い世代に合った献立を考える授業もあります。
栄養価の高い美味しい献立を考えたり、実際に自分たちで調理することで学習していきます。
・食品加工学
食品加工の製造や長期保存の方法などを研究する授業です。
缶詰や味噌などを自分たちで作る授業がある養成施設もあります。
また、実習で作った加工食品を販売することもあるので、実習もより現実的なものとなるでしょう。
栄養士養成施設は全国に数多くあり、学校によって難易度は異なります。
資格試験はありませんが、養成施設の科目をしっかりこなすことが大切です。
栄養士になるためには、卒業時までに必須科目を修了することが条件だからです。
また、栄養士だけではなく管理栄養士を目指すのであれば、国家試験に合格しなければらなないため、ハードルが上がります。
では、栄養士の具体的な職場や仕事内容はどのようなものでしょうか?
主な職場は給食施設とそれ以外に分かれます。
ここではより詳しく栄養士の仕事内容について紹介します。
給食とは、学校や幼稚園などの教育機関だけではなく、病院や事業所、福祉施設などさまざまな場所で提供されています
それらの利用者に向けて食事を作る施設のことを「給食施設」といいます。
給食施設での主な仕事内容は、以下を挙げられます。
・成長に必要な栄養計算
・献立の作成
・食材の発注・調理
・調理場の衛生管理
・栄養に関する情報の提供
先述で紹介した給食施設以外に、栄養士の就職先はどのような場所があるでしょうか?
栄養士の就職には幅広い選択肢があります
・医療機関
病院などの医療機関では、栄養士・管理栄養士の知識が必要とされます。
手術後の患者さんへの栄養管理や病院食の栄養指導などを行います。
・学校
学校で食育推進を図る「栄養教諭制度」が2005年に作られました。
栄養教諭は学校内で、子どもたちに食事や栄養について教育をし、食事を共にすることで指導することもできます。
給食施設とは少し変わった仕事を担当することとなります。
・介護福祉施設
介護福祉施設は、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・ショートステイなどさまざまな形態があります。
利用者さんの要介護度に合わせた食事や栄養管理を求められます。
中には「きざみ食」「とろみ食」「減塩食」など、病状や咀しゃく機能に応じた食事を提供することも必要となってくるでしょう。
・スポーツに関わる仕事
トップアスリートやジムのインストラクターなどと提携する仕事もあります。
スポーツの特色やトレーニングの目的に合わせて栄養バランスの整った食事内容や食事法を指導します。
・研究・教育機関での仕事
栄養士・管理栄養士が食習慣の研究・教育を行う研究施設や教育機関で、教職員や研究員として勤務することもあります。
新しい食習慣の課題・問題を見つけたり、研究に基づく指導・実践を行ったりします。
・食品メーカーでの仕事
商品開発・マーケティング・販売促進などを行うのが主な仕事です。
栄養学や食生活に関わる知識を活かして、商品開発を行います。
栄養士の資格だけではなく、営業・マーケティングなどのスキルが求められる仕事でもあります。
栄養士と管理栄養士それぞれに関するポイントを、以下にまとめました。
○活躍の場:給食や食事を提供する現場で活躍!
学校、病院、福祉施設、保育園、給食会社など、給食や食事を提供する幅広い現場で活躍。今の社会では、栄養の知識と調理技能を活かせるフィールドが「食」業界全体に広がっています。
○仕事内容:給食提供と栄養指導!
学校、病院、福祉施設、保育園、給食会社など、それぞれの施設に応じた給食や食事の計画・調理・提供を担当。また、人々が健康的な食生活を過ごせるよう、食や健康に関する正しい知識や技能を伝えます。
○活躍の場:病院や福祉施設で活躍!
管理栄養士の主な活躍の場は、大学病院・総合病院や福祉施設。ほかにも小・中学校、食品開発・研究、スポーツ、給食会社など働くフィールドが幅広くあります。
○病気の人などに専門的な栄養指導!
行動な専門知識と技能を用いて、主に3つの栄養指導にあたります。
1. 病気や怪我をした人に対する療養のための栄養指導。
2. 個人の状態に応じた健康保持・増進のための栄養指導(特定保健指導など)。
3. 施設などで特定多数の人に対する給食管理・栄養指導。
このように、より専門的な知識で栄養指導を行える点が栄養士と管理栄養士の大きな違いになるでしょう。
栄養士を目指す方に対して少しでも参考になればと、国際調理製菓専門学校(Food)に通う杉本由宇(栄養士学科/東京学館新潟高出身)さんに、気になるあれこれを聞いてみました。
A:小学校からサッカーをしていました。もともと「料理が好き」「スポーツをやってきた」という自分自身の経験や趣味からつながった職業が栄養士です。食を通じてスポーツ選手の最大限のパフォーマンスを引き出せるサポートをすることが将来の夢です。
A:食品の持つ特性や栄養価など、食に関する基礎知識を幅広く学んでます。栄養指導論や解剖生理学、公衆衛生学、スポーツ栄養学などの講義はもちろんのこと、調理実習の時間も多いです。特に、身に付けた調理技術を学生運営の健康レストランで実践的に生かすことができます。
A:学校で学んだことが友人とのコミュニケーションになっています。友人から「ダイエットをしたいけど、習慣化されない」と相談を受けました。それで、僕が学んできたことを生かして「食べた物を記録する」「毎日の体重の変化を記録する」「具合的な目標を作る」というポイントを伝えたり、簡単レシピを作って渡したりしました。今は友人の食事面の健康サポートが趣味にもなりました。
今回は栄養士の仕事について紹介しましたが、管理栄養士との違いもあり、資格取得や進路選択の参考になったのではないでしょうか。
「栄養士」が選べる職業は様々にあります。自分の得意分野を選択したり、更にスキルアップを目指すのもいいでしょう。
今回の記事を参考にして、自分のやりたいことを明確にしてくださいね。
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